「健康で文化的な最低限度の生活」 作 柏木ハルコ の1巻を読んだ感想
健康で文化的な最低限度の生活は憲法で守られたものである。
もう一度この字面を見てみよう。
健康で、文化的な、最低限度の生活、である。
この物語は表紙の主人公「義経みえる」が区職員として福祉保健部生活課に配属されるところから始まる。つまり生活保護受給者とのかかわりだ。
そしてそれは言ってはなんだが、社会の底辺を支える人とその底辺で頑張ったりしている人、頑張っていない人、苦労している人などなどとにかく普通に暮らしていたら会う事はないだろうという人とのかかわりあい、助けるマンガだ。
この漫画では人は死に、子供は苦しみ、壮年のおじさんが悩み、金欠に悩む多くの人々が出てくる。それもリアルな漫画だ。
ぜったいどこかにいるだろう。どこにでもいるだろう。もしかしたら自分がそうなるかもしれないという漫画だ。
自分はいま自室からパソコンでこの文章を打っている。しかしいつか俺がダンボールで生活していないと誰が約束できよう。もしくは俺の知らないところで友達の誰かが既に生活に困窮しているかもしれない。
世の中どうなるかわからない。それはそうだ。だから俺は一時の楽しみとして漫画を読んだりするが、この漫画はフィクションかもしれないが、どこかにいるノンフィクションの実態かもしれないのだ。
さて。こういうのを読むとまず考える。『自分にはいったい何ができるだろう?』それは心の底に置いといてじっくり考えていくしかない。直ぐには答えは出ない問題だ。ただ、あなたも是非この漫画を読んで一緒に考えてくれたらこれ幸いに違いないと思う。