「健康で文化的な最低限度の生活」 作 柏木ハルコ の1巻を読んだ感想
健康で文化的な最低限度の生活は憲法で守られたものである。
もう一度この字面を見てみよう。
健康で、文化的な、最低限度の生活、である。
この物語は表紙の主人公「義経みえる」が区職員として福祉保健部生活課に配属されるところから始まる。つまり生活保護受給者とのかかわりだ。
そしてそれは言ってはなんだが、社会の底辺を支える人とその底辺で頑張ったりしている人、頑張っていない人、苦労している人などなどとにかく普通に暮らしていたら会う事はないだろうという人とのかかわりあい、助けるマンガだ。
この漫画では人は死に、子供は苦しみ、壮年のおじさんが悩み、金欠に悩む多くの人々が出てくる。それもリアルな漫画だ。
ぜったいどこかにいるだろう。どこにでもいるだろう。もしかしたら自分がそうなるかもしれないという漫画だ。
自分はいま自室からパソコンでこの文章を打っている。しかしいつか俺がダンボールで生活していないと誰が約束できよう。もしくは俺の知らないところで友達の誰かが既に生活に困窮しているかもしれない。
世の中どうなるかわからない。それはそうだ。だから俺は一時の楽しみとして漫画を読んだりするが、この漫画はフィクションかもしれないが、どこかにいるノンフィクションの実態かもしれないのだ。
さて。こういうのを読むとまず考える。『自分にはいったい何ができるだろう?』それは心の底に置いといてじっくり考えていくしかない。直ぐには答えは出ない問題だ。ただ、あなたも是非この漫画を読んで一緒に考えてくれたらこれ幸いに違いないと思う。
「双亡亭壊すべし」 の1巻を読んだ感想 作 藤田和日郎
双亡亭壊すべし!
双亡亭壊すべし!
双亡亭壊すべし!
1巻の感想はこれに尽きます。
双亡亭は壊れなかった。爆撃を受けても壊れなかった。鉄球をぶつけても壊れなかった。
双亡亭の中に入った人物は壊れていった。
双亡亭を爆撃した日におかしなことがあった。40年前に使われなくなった飛行機が、ぼろぼろになった飛行機が羽田に不時着した。そこには飛行機事故で亡くなったはずの一人、タコハ セイイチ(12)がのっていた。すべてを粉々にするドリルになる手を持ちながら。
双亡亭を爆撃する前日一つの家族が双亡亭の近くに引っ越した。
親子は近所に住んでた絵本作家志望の青年と出会った。青年と家族の子供が双亡亭の話をして、青年が「俺なら、屋敷の奥も探検してみたいな」と言った。言ってしまった。
子供は夜探検した。父親は追いかけた。双亡亭に。
父親は双亡亭に食われた。
その事件を聞き、特別な巫女であるその子供の姉が来た。
国は双亡亭を破壊したも者に248億の報奨金を支払うと明言した!
以上である。
「私の少年」の1巻を読んだ感想 作 高野ひと深
美少年っていいよね!という事で今回「私の少年」読んでみました。
作品に入る前に最近身近にあった出来事ですごく悩んだことがあるんです。それが野良猫の話なんです。
自分の住んでる所は田舎なんで猫は別に珍しくもないのですが、俺が驚いたのはその野良猫が瀕死の状態だったからです。
生きてる状態、もしくは車にひかれて死んだ状態なら今まで幾度も出くわしたことはあるのですが、瀕死の状態は初めてだったのでものすごい慌てました。
これで猫を助けてこんな元気になりましたーとかTwitterにあげればうけるんでしょうけれど、悪いけれど動物を飼う気もないし、知り合いに猫好きの人もいない。正直言って相手にしたくないけれど、目についてしまった。気になってしまった。「大丈夫か?」って声かけても返してくれるもなし。でも体の動きで呼吸をしているのがわかる。でも頭に病気か何かではげている。しかもハエまで近くを飛んでいる。まさに瀕死。
ネットで調べました。動物病院は近くにないものかと。でもあったからってどうするのだ?助けるのか?引き取る気もないのに?そんな感じで気が動転していたところ父親に会いこう言われました。「ほっとけ」。
正直なところほっとしました。ほっといてもいいのだと。むしろほっといておけばこのまま自然の野良猫と自分の間に関係は作られなくなる。何も責任を取る必要がなくなるのだと。
漫画の話に戻ります。
まず題名がいいですよね。「私の少年」。これが私の知ってる少年になるのか。私の大事な人になる少年。私に影響を及ぼす少年。なんとでもふくらみます。
表紙では私らしき女性が少年を見ています。しかし少年はこちらを見ていて私と目を合わせていません。この白い表紙の上でわたしのほうが少年を意識してますね。でも少年の目はこちら、読者の方をまっすぐ見ています。髪の毛が下に流れているから前は私と目を合わせていたのかもしれない。違うかもしれない。
物語の方に行きましょう。
私こと多和田聡子さん今年で30.通勤の待ち時間にサッカーの練習をしてるが上達しない少年を見てる
会社の鬱憤を公園のビールではらしているところにボールがコロコロと。するとそこには、
美少年が!
これからどうなるのかは読んでのお楽しみに。
一つ言うなら俺は瀕死の野良猫とかかわらないことにしました。
「わたし」はこの少年とあってどうするのでしょうか?
感想?めちゃくちゃおもしろいよ!
魔法は金があれば使える! 「貧民、聖櫃、大富豪」 作 高橋慶太朗 の1巻を読んだ感想
魔法が出てくる物語ではどうやって魔法が使えるかが焦点に当たるものと当たらないものがある。一番よくあるのが体内に体力と同じように魔力があるという設定だろう。例えばゲームのドラゴンクエストのようにHP(ヒットポイント)とMP(マジックポイント)みたいな目にはみえないが大体総量が決まっているものだ。魔法を使いすぎると「魔力が減って力が出ない・・・」みたいな感じだ。
逆に魔法を使うこと自体が物語の重要な位置を占めてくるものがある。例えば「鋼の錬金術師」では等価交換として何かをささげた分だけ魔法みたいに物を作ったり曲げたり色々なことができる
ではこの物語はどうだろう。そうれはもう題名と表紙からわかるように「お金」で魔法が使えるようになっている
どうやら父親はいないようだ。で、表紙にいるなんか白い女性はアウレリア・デ・メディチという。
このメディチというのはメディチ家の事であり昔のイタリアの大富豪であり数々の芸術家のパトロンになり芸術の発展にも寄与し、政治でも大きな影響を与えた人物である。
かなり大雑把にこの本を説明するとすれば人に過去の偉人が憑依し、お金を使って戦うのだ!闘いの名は「グレートウェルス」。最後まで勝った暁には主には「大いなる富」、御使いには副賞として「転生」することができる。主人公は貧乏なため何とかしてお金を稼ぐ!まぁそんなところだろう。詳しい登場人物は各自読むべし!
このお金を使って魔法を使うというのを考えると一つの作品を思い出す。そう!おジャ魔女どれみだ!
ある時は花を売り、ある時はお菓子を売り、ある時はアクセサリーを売ってそのお金で「魔法玉」を購入してやっと魔法を使えたりした。
これを日曜の朝、子供が見ていたのだからその影響はどのようなものだったのだろうか。
何かを叶えるためにはそうれ相応の努力が必要である。考えてみればこれほど大人に向けての教材として子供が熱中させる作品を世に送り出していたのは大したものである。是非おジャ魔女がどのように作られたのかを知りたくなってくるものだ。
さて、話を戻そう。「貧民、聖櫃、大富豪」の中では信用が大事な要素として書かれている描写がある。そこで思い出すのが為替の話だ。
世界で何か問題があるとドルとユーロが値下がりし、比較的信用がある円が上がるというのをよく聞くだろう。
時分は為替とかそういうのはわからないが、信用されるからには何かしら理由があるのだ。
つまりこの物語には「お金」と「信用」が大事な要素だ。
確かに戦闘シーンもある。だが、この物語のは「お金」そしてお金以上に「信用」が根幹を成すと思う。
さて、どういう風にこの物語は進むのであろうか?
あなたのその冒険、保険入ってる?「ライカンスロープ冒険保険」 作 西義之 の1巻を読んだ感想
その手があったか!と思いましたね。
昨今異世界やらなにやら冒険しに行く小説や漫画が増えている中で、保険というところに目を付けた作者にあっぱれ!
主な登場人物はちっちゃい黒髪の方が社長で魔法が使えるウルク。巨乳で水色にちょっと黒い色が入った髪の女性が社長の用心棒でスライム化もできてバカ力の部下「部長」『ブチョー』のコンビ。
では一体どんな保険を扱っているのか?
まずは装備保険。
次に全滅寸前保険。
次には「いけどんビギナーズ保険」
最後に「パーティ分裂保険」などなど1巻だけでいろんなものがあります。そりゃ冒険の世界ですから多種多様で応用の利く設定ですね。
冒険の最中に起きた事件をどうやって保険がきくのか判別するのか。それは社長の魔法でです。
これで業務をすることができるというわけですね。
中には冒険を手伝ったりするのもあるので本当に応用の幅がある作品です。
物語は冒険中に起きる問題すべてを扱うことができる上、保険屋という職務上そこには事件がありそれを解決していく。一種の推理小説的なところもあります。まさにいいとこどりみてーじゃねーかこのやろー!
1巻読み終わって。思ったのはやっぱり「保険」に目を付けたところがすごいですよね。今までのセオリーだと全滅したら自動的に教会などに連れていかれ手持ちのお金が半額になったりするところに「保険屋」という存在を生み出して今までのファンタジーのなかった部分に色を付けた感じがします。なんだか一種のまちづくりみたいな。最近は飯屋が多いけれど、保険屋もあるよ。みたいな。これから異世界なんちゃらでどんどん現実にある職業がファンタジーになったらどうなるのだろうかという想像を掻き立てられる作品。それがこの「ライカンスロープ冒険保険」のすごいところの一つだと思いました
。
「思い、思われ、ふり、ふられ」の1巻を読んだ感想 作 咲坂伊緒
うおおおおおおおお懐かしの少女コミック!自分には姉がいて昔少女コミックを借りて読んでいたのでしたがしばらく読んでなかったので懐かしさに震えました(ペンギンブラザーズとかミントな僕らとか神風怪盗ジャンヌとかさいごはNANAかな)。
特に懐かしさを喚起させたのがこれです。
少女コミックを読んだことがない人には初めてだと思いますが、左端に作者の近況が書いてあるんですよ!しかもそれが作品に関係することだったり、しないことだったりほんとにフリーな感じで作者と読者の距離を縮めてますよね。そしてここには名前の由来も書いちゃってくれてます。いたせりつくせりですね。
まぁ、そういうのは置いといてこの物語はどういうのかというと、なんとそれも作者が一ページ目に書いてくれています!
二人のヒロイン。つまり表紙のこの子たちですね
1ページ目に物語の概要を書いてくれるのはもう恋物語を前提である少女コミックならではですね。ではこの子たちの紹介をしてみましょう。
茶髪の子は人見知りな由奈。恋愛にはおくてで漫画の王子様のような人が来てくれるのを待ってる感じ。
逆に黒髪の子は恋に積極的な子で「自分では何もしないでそういう人が自動的に現れてくれるなんてそんなムシのいい話なくない?」「いろんな男子と話してみて」「恋に落ちにいく準備」をする。それは「お互いの仕掛け愛とか合図の出し合いとか」をするのだ。ほー。恋愛なれってこういうのかと思わされる。これが王子様を待ってる子と実際に付き合ったことがある子の差か!と思った。
しかもこのお互いの恋愛観を話し終えた時に由奈は『朱里ちゃんはきっとまだ本当の恋をした事がないんだ』とまで思ってる。
しかし夢見勝ちで人見知りという事は物語上伸びしろがあるという事だ。こうご期待!
この恋愛観が逆の二人が友達になった理由が二人とも中学卒業を機に大切な人と駅でお別れをするのだが、朱里が財布を持ってくるのを忘れて由奈にお金を借りることからこの物語は始まっていく。
さて気になる男の子の方はこちら。
黒髪の方が和臣(かずおみ)で天然で恋愛には興味なしで由奈とは幼馴染。金髪?のほうは理央(りお)でイケメンで恋愛には積極的で面食い、そして朱里の弟というわけだ。
物語は由奈が理央に一目ぼれしていくことから始まっていく。
ここまで書いて思ったのが図書館戦争に似てるなと思った。熱血バカの笠原 郁と何でもできる柴崎 麻子。由奈がぐんぐん成長する中で自分というものを持っている朱里はサポート中心に回るのだ。もちろん恋愛や事件を通して両者のは成長するが成長の幅は由奈の方が大きいのだ。
基本的に物語はこの4人を中心に回っていく感じだ。面白いぞ!
来週の本はまだ決まってないよ!
「群青戦記」の一巻を読んだ感想
読み終わった瞬間自分は思いました。
『俺、これ知ってるぞ!これは、戦国自衛隊だ!』
知らない人に説明しとくと自衛隊が戦国時代にタイムスリップするというもの。
群青戦記の主人公は表紙に出てる男の子で、 歴史好きの弓道部2年西野 蒼(ニシノアオイ)君。同じ弓道部の瀬野さんに思いを寄せるもかっこいい幼馴染と付き合っている。
この本の最初には色付きでこの絵が載ってる。
「関が原合戦屏風の石田三成本陣付近に異様な風体の者たちの勇敢に戦う姿が描かれている」と書いてある。
ここで読み取れるのはタイムスリップしたのち西軍に属し、関が原で重要な位置に占めるまで上り詰めたということだ。
その証拠に1っ巻にこの人が出てくる
蜂須賀小六郎といえば、数少ない秀吉の傘下である。
もうだいたいここまでで、主人公に色々あって成長して関が原まで生き抜くという事が想像できるだろう。以上がこの本のあらすじだ。
ここまで書いといてなんだが、実は面白い漫画でも楽しみながらそれが史実をもとにするものだと自分は少し苦手なのだ。それは作中の人物がだいたいどこらへんで死ぬのがわかるからだ。
どんだけかっこいい描写があっても、それで感情移入しても、史実通りにするならばそのキャラクターは死ぬのである。
死なない展開をするのであるならばそれもそれでありだが、なかなかそういうのは見かけない。どうなんだろうか?史実をもとにした作品を史実通りにしない。まぁ、主人公が入ることによってそれは不確定要素となって歴史通りに進むとは限らないが、その後の展開はどうするのだろう?気になるところだ。
そう。気になるのだ。苦手といいつつも気になるのだ。読んでみたいと思わせる。作者が史実と自分のキャラを混ぜてどう料理するのかを。面白そうではないか?
あなたはこの本を読みたいと思う?
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